プラスチック試作の工法はどう選ぶ? 選び方をフローチャートで解説
プラスチック試作では、必要数量が少ないから3Dプリンタ、数量が多いから金型、という単純な選び方では最適な工法にならないことがあります。実際には、必要数量、使用したい材料、形状の複雑さ、確認したい内容によって、向いている工法は変わります。
PlaQuickでは主に「試作アルミ型+射出成形」「切削加工」「3Dプリンタ」「注型」の4工法に対応しています。本記事では、それぞれの特徴と選び方をフローチャートを用いて分かりやすく整理します。
目次
まずはフローチャートで全体像を確認

試作工法を選ぶときに、まず見るべきポイント
試作工法を選ぶときに、最初の目安になるのが必要数量です。数量がある程度まとまって必要になる場合は、試作アルミ型+射出成形のメリットが出やすくなります。一方で、1個から数個の試作であれば、3Dプリンタや切削加工、注型が候補に入ります。
ただし、数量だけで工法を決めてしまうのは危険です。少量でも、量産時に使う材料で確認したいケースや、切削では対応しづらい形状では、試作アルミ型+射出成形が最適になることがあります。反対に、数量が多くなくても、まず形だけ確認したいのであれば3Dプリンタの方が適している場合があります。
つまり、試作工法は数量 → 材料 → 形状 → 確認したい内容の順で整理すると、判断しやすくなります。
数量がある程度必要なら”試作アルミ型+射出成形”
試作アルミ型+射出成形は、量産と同じ材料で試作しやすく、数量が増えたときにメリットが出やすい工法です。PlaQuickでは、モールドベースを共有化し、内側の入れ子だけをアルミで製作することで、短納期・低コストを実現しています。
試作品であっても量産に近い条件で確認しやすいため、形状確認だけでなく、フィッティング確認や材料確認まで行いたいケースに向いています。量産移行を見据えている案件では、特に検討しやすい工法です。
また、数量が少ない場合でも、材料指定がある、3Dプリンタでは対応材料がない、切削では加工しにくい形状である、という条件が重なると、この工法が選ばれることがあります。
少量でまず形を見たいなら”3Dプリンタ”
3Dプリンタは金型を必要とせず、1個から製作できることが大きな特徴です。まずは形状を確認したい、部品同士の干渉を見たい、構造のイメージを早く形にしたい、という初期段階の試作に向いています。
また、複雑な形状でも造形しやすく、一体構造や中空形状のように他工法では作りにくい形状にも対応しやすい点が強みです。一方で、量産品とまったく同じ機械的特性を再現する用途には向きません。あくまで、初期段階の形状確認や構造確認に強い工法として位置付けるのが適切です。
少量で精度や材料を重視するなら”切削加工”
切削加工は、寸法精度の高さと材料選択肢の広さが特徴です。ABS、POM、PC、PA、PEEKなど幅広い材料に対応しやすく、1個から製作できるため、少量試作との相性が良い工法です。
特に、複雑すぎない形状で、寸法確認や精度確認までしっかり行いたい場合には、切削加工が選ばれやすくなります。単純な形状であれば、3Dプリンタより有利になるケースもあります。
一方で、削り出しに不向きな複雑形状では難易度が上がるため、形状によっては他工法を検討した方がよい場合もあります。
10個前後でコストを抑えたいなら”注型”も候補
注型は10個前後の少量複製でコストメリットが出やすい工法です。シリコン型や樹脂型を使って複製するため、少量をまとめて作りたい場合に向いています。
PlaQuickではナイロン樹脂注型にも対応しており、用途によっては性能試験に使えるケースもあります。ただし、対応材料や評価条件には制約があるため、量産材そのもので確認したい場合は、別工法のほうが適していることもあります。そのため、注型は少量・コスト重視・対応材料の範囲内という条件で考えると、位置付けが分かりやすくなります。
工法選定では「何を確認したいか」も重要
試作では、単にモノを作ることが目的ではなく、何を確認したいかによって選ぶべき工法が変わります。たとえば、まず見た目や全体形状を確認したいのか、寸法精度を重視したいのか、量産と同じ材料で評価したいのかによって、選択肢は変わります。
この観点を整理せずに工法を決めてしまうと、費用や納期だけでは説明しきれないミスマッチが起こりやすくなります。試作工法の選定では、数量・材料・形状だけでなく、形状確認、寸法確認、材料確認、量産移行のしやすさまで含めて判断することが大切です。
4つの工法を一覧で比較
| 試作方法 | 納期 | 製品金額 (30ケの場合) |
材料 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 試作アルミ型+射出成形 | 5日~(標準8営業日) | 40万円(型加工費+成形品) | 射出成形可能であれば使用可(スーパーエンプラは要相談) | 量産と同じ材料で成形が可能です。非強化であれば2,000ケ程度、ガラス入りであれば500ケ程度成形可能です。(初回100ケまでは成形品費は型加工費に含む) |
| 切削加工 | 5日~ | 60万円(@2万円×30ケ) | ABS、POM、PC、PA、PEEK 等 | 寸法精度が高く、材料の選択肢も広いことが特徴です。1ケから対応可能。 |
| 3Dプリンタ | 5日~ | 60万円(@2万円×30ケ) | PLA、PA、エポキシ 等 | 複雑な形状でも造形可能です。1ケから対応可能。 |
| 注型 | 10日~ | 50万円(型費+成形品30ケ) | ウレタン、ナイロン、シリコン | 10ケ程度であれば、切削や3Dプリンタよりも低コストです。1型で15ケ程度成形が可能。 |
迷ったら、PlaQuickに数量・材料・形状・目的をまとめてご相談ください
試作工法の選び方に正解はひとつではありません。同じ数量でも、使用したい材料や形状、確認したい内容が変われば、最適な工法も変わります。
もし工法選定に迷った場合は、必要数量、使いたい材料、形状の特徴、何を確認したいかを整理したうえでご相談ください。PlaQuickでは、ご要望に応じて最適な工法をご提案します。「まずは形状確認をしたい」「量産材で試したい」「どの工法が向いているか分からない」といった段階でも、お気軽にご相談ください。