切削(v2案・非公開)
切削加工は、板材や丸棒をNC旋盤やマシニングセンターで削り出して造形する試作工法です。寸法精度が高く、材料の選択肢も広いことが切削加工の特徴で、PlaQuickでは1ケから対応が可能です。最短5営業日・約2万円/ケ〜という価格帯で、急ぎの試作ニーズにもお応えしています。
目次
切削加工のメリット・デメリット
切削加工には、他の試作工法と比較したときに以下のような特徴があります。事前に把握しておくことで、工法選びで後悔することがなくなります。
メリット
- 寸法精度が高い(±0.1mm程度)
- 対応材料は汎用樹脂からスーパーエンプラまで幅広く対応
- 単純な形状であれば3Dプリンティングより安価に製作可能
- 大型の製品にも対応可能
- 最小ロット1ケから対応可能なため、1点もの・少数試作に最適
デメリット
- 材料を削り出す加工のため、使用しない部分は材料ロスとなります
- 1個あたりの加工時間が長くなるため、数量が増えると射出成形に比べてコストが上がる傾向があります
- 中空構造など、刃物が届かない内部形状は加工が難しい場合があります
「自社の試作ニーズに切削が向いているか判断が難しい」という場合は、ぜひ一度ご相談ください。用途・数量・素材をお聞きした上で、最適な工法をご提案します。
切削加工の種類
切削加工には、大きく分けて「旋盤加工」と「フライス加工(マシニング加工)」の2種類があります。
旋盤加工
材料(ワーク)を回転させ、固定した工具(バイト)で削る方法です。円筒形・円柱形の部品や、ネジ加工・穴あけ加工に向いており、真円度が求められる部品の切削に強みを発揮します。
フライス加工(マシニング加工)
材料を固定し、工具(エンドミル等)を高速回転させて削る方法です。平面・溝・複雑な3次元形状の切削に対応できます。PlaQuickではマシニングセンターを使用しており、精密な形状を高い再現性で削り出すことが可能です。
どちらの工法が適しているかは、部品の形状・精度要件・素材によって異なります。図面や3Dデータをお持ちでない段階でも概算のご相談からお受けしていますので、お気軽にお問い合わせください。
切削加工と他工法の違い
試作方法として何を選ぶか迷われるケースは少なくありません。ここでは、切削加工と他の工法を比較しながら、それぞれの特徴と使い分けの考え方をご紹介します。
射出成形との比較
将来的な量産を見据えているなら、量産と同じ素材で試作ができるPlaQuickの試作アルミ型+射出成形がおすすめです。一方、1〜数ケの精度確認や、素材の物性を正確に評価したい場合は切削加工が向いています。
上記の表でも記載している通り、射出成形の寸法精度も切削と同じで「±0.1mm程度」と言われています。ただ、切削と異なり材料や形状・肉厚などにより寸法精度が変わってくるので注意が必要です。
一方で、お客さまからは「PlaQuick射出成形は精度が高い」との評価を頂いています。オプションで成形品の寸法測定も可能です。切削とPlaQuick射出成形を使い分けてはいかがでしょうか?ぜひ一度ご相談ください。
注型との比較
注型は金型を使わずにシリコン型で成形するため、10〜20ケ程度の小ロットではコストメリットが出やすい工法です。ただし、使用できる素材がウレタン・PA6・シリコン等に限られ、寸法精度も切削加工には及びません。「少数ロット・比較的単純な形状・素材の制約が少ない」場合に向いています。
3Dプリンタとの比較
3Dプリンタは複雑な形状を素早く形にするのに優れていますが、量産品と素材の物性が異なるため、性能評価目的の試作には不向きです。強度・耐熱性・耐薬品性を検証したい場合は、量産品と近い物性で試作できる切削加工をご検討ください。
PlaQuickの切削加工が対応できる素材
切削加工の大きなメリットのひとつが、素材の選択肢の広さです。PlaQuickでは以下の素材に対応しています。
特にご注意いただきたいのが、PEEKをはじめとするスーパーエンプラや、PTFE・PETといった特殊素材です。これらはPlaQuickの試作アルミ型(射出成形)では対応が難しいのですが、切削加工であれば対応可能です。「この素材で射出成形を断られた」「スーパーエンプラで試作したい」というご要望は、ぜひ一度ご相談ください。
切削加工の注意点
切削加工で高い精度を安定して出すためには、素材の特性と加工形状の両方を正しく理解しておくことが重要です。PlaQuickが実際の加工で意識している観点をご紹介します。
加工可能な形状の目安
切削加工は「刃物が届く範囲を削り出す」工法であるため、形状によっては加工が難しいケースがあります。設計段階で以下の点を意識しておくと、依頼がスムーズになります。
- 外形・溝・穴形状:刃物が届く外側の形状は概ね対応可能です。ネジ穴・段差・テーパーなども対応しています
- 薄肉部・細長い形状:肉厚が極端に薄い部分や、細く長い突起形状は切削中に振動(ビビリ)が生じやすく、精度が出にくくなります。設計時に肉厚の確保をご検討ください
- 深穴:穴の深さが径に対して大きくなるほど加工難度が上がります。事前にご相談いただくことを推奨します
- 内部中空構造:箱形の中空体など、刃物が届かない内部空洞は一体加工が難しいため、複数パーツに分割して接着で対応するケースが一般的です(下記の透明容器事例がその一例です)
「この形状、切削で作れるか?」という段階のご相談も歓迎しています。図面や簡単なスケッチをご共有いただければ、実現可能性と最適な加工方法をお伝えします。
費用に影響する主な要素
切削加工の費用は「約2万円/ケ〜」を目安にご案内していますが、以下の要素によって変動します。発注前の概算把握にお役立てください。
- 形状の複雑さ:加工工程が増えるほど加工時間が長くなり、費用が上がります
- サイズ:大きな部品ほど素材費・加工時間ともに増加します
- 素材の種類:PEEKなどスーパーエンプラは素材費が高く、加工難度も上がります
- 数量:切削加工は数量が増えても型費が発生しない一方、1個あたりの工数はほぼ変わらないため、数量が増えると合計費用は比例して増加します
図面・3Dデータがない段階でも、形状のイメージや素材・数量をお伝えいただければ概算費用をご提示できます。まずはお気軽にお問い合わせください。
熱による変形・白濁に注意
切削加工では、工具と素材の摩擦によって熱が発生します。耐熱性の低い素材では、この熱によって寸法が変化したり、透明素材が白濁してしまうことがあります。たとえばPMMA(アクリル)は透明ですが、加工時の熱で白濁しやすく、磨いても透明感を回復できないことがあります。素材選定は加工のしやすさと耐熱性の両立が鍵です(詳しくは後述の「試作材料の選定方法」もご参照ください)。
素材ごとの工具選定が仕上がりを左右する
樹脂の切削では、素材の種類に合わせて工具の形状・材質・回転数を最適化することが、精度と表面品質に直結します。PlaQuickでは素材ごとの加工ノウハウを蓄積しており、「この素材で依頼できるか分からない」という段階からお気軽にご相談いただけます。
PlaQuickの切削加工事例(透明容器の試作)

ペットボトルや目薬・化粧品などに透明容器は利用されており、私たちの生活に大変身近な存在となっています。以前はガラスを利用することが主流でしたが、現在ではガラスからプラスチックへと変わってきています。
容器が透明であることによって、製品への信頼度が格段に増します。容器の中に入っている物が分かると安心感を与えます。
また、お客様が実施するプレゼンテーションで利用する事で、説得力が上がります。撹拌する様子や、沈殿物の様子を確かめる事が出来れば、インパクトのある説明となります。
化粧品・医療・臨床検査キットなど「透明性」を要件とする容器の試作は、PlaQuickにご相談ください。素材選定から加工・仕上げまでワンストップで対応します。
試作材料の選定方法
加工に時間が掛かるとプラスチックが発熱してしまう為、加工のし易さが必要です。
ただし、加工のし易さでABS(アクリルニトリルブタジエンスチレン)や、POM(ポリアセタール)を選択しても、透明感は得られません。また、透明なPMMA(アクリル)を選択しても、加工時に発生する熱で白濁してしまいます。一旦白濁してしまうと、磨いても透明感は出てきません。
つまり、透明容器の材質は、耐熱性があり、加工のし易さを両立するプラスチックでなければなりません。それがPC(ポリカーボネート)です。
PCは耐熱性が高く、材料加工時に発熱しても、白濁せず、透明度が落ちません。更に、耐衝撃性も高い為、家電製品や日用品、自動車部品など、エンドユーザー向けの製品にもよく利用されています。まさに、軽くて丈夫なプラスチックです。
「透明容器以外の切削加工素材も知りたい」という方は、上記の対応素材一覧もあわせてご覧ください。POM・PA・PEEKなど、用途に合わせた最適素材をご提案することも可能です。
試作の全体の流れ
①加工
材料となるPCの板材や丸棒を適したサイズにカットし、マシニングで切削します。側面部2パーツ、底面部1パーツの計3パーツを製作します。容器蓋を取り付ける為、ネジ加工も可能です。
②表面磨き
切削後、表面を丁寧に磨き、マシニングでの切削で出来た筋を取り除きます。磨く事で、更に透明度が上がります。
③接着
3パーツを接着します。接着し易くする為に、それぞれのパーツには多少の肉厚が必要です。接着加工は時間が掛かる工程ですが、PlaQuickでは効率的に製作する為、様々な工夫をしています。
④仕上げ
最後に、PlaQuick独自の特殊技術を駆使して仕上げ加工を施します。更に透明度を増した仕上がりとなります。
PlaQuickではPC透明容器の他にも、POM・PA・PEEKなど様々な素材での切削加工に対応しています。「この形状・この素材で作れるか?」というご相談は、図面・3Dデータがない段階でも構いません。まずはお気軽にお問い合わせください。