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PPS(ポリフェニレンサルファイド)について

PPS樹脂とは?特徴や試作・成形における代表的な用途を解説

PPSは『ポリフェニレンサルファイド樹脂』の略称で、高い強度や耐熱性を持つ『高性能エンジニアリングプラスチック(エンプラ)』の中でもさらに高性能な『スーパーエンプラ』に分類されます。

エンプラ市場は年3.51%ほどの成長率が続いていくとも予測されており、中でも金属の代わりに採用されているPPSは注目度の高い素材です。(参考:矢野経済研究所

本記事ではPPSの特徴や試作・成形における代表的な用途をまとめましたので、プラスチック成形をご検討の方はぜひ参考にされてください。

PPSの特徴とは?

PPSには主に以下5つの特徴があります。

  1. 熱に強い
  2. 薬品に強い
  3. 変形しづらい
  4. 電気を通しにくい
  5. ガラスと混ぜて強度を高められる

それぞれの特徴について解説していきます。

特徴①:熱に強い

PPSは高い熱耐性を持つという特徴があります。融解点は280~290℃で、高熱になりやすい部品にも使用可能です。温度が低い環境への耐性も高く、約マイナス20℃まで耐えられます。

特徴②:薬品に強い

多くの薬剤に強いという点もPPSの特徴です。アセトンなどの有機溶剤は、樹脂を溶かす性質を持っていますがPPSは薬剤耐性が高く、有機溶剤に触れても溶けません。酸、アルカリにも耐性を持っているので、塗料を塗っても溶けることがない、使いやすい素材です。

特徴③:変形しづらい

プラスチック製品は、加圧や水分によって変形することがあります。例えばプラスチック製の衣装ケースの上に物を置いているとその部分がへこんだり、しばらく使ったスニーカーの靴底がポロポロ崩れたりします。これらはプラスチックへの加圧や加水分解による劣化です。PPSは一定の荷重でもゆがみにくい耐クリープ性に優れており、吸水性も低いという特徴があります。製品の型崩れもしにくく、寸法安定性が高い点もPPSで試作・成形を行うことの大きな特徴です。

特徴④:電気を通しにくい

PPSは、高い電気絶縁性を示す素材です。熱可塑性があり加工しやすいのは金属と同じですが、電気を通さないのはPPSならでは。安全性の高い部品が作成可能です。

特徴⑤:ガラス繊維と混ぜて強度を高められる

熱や薬品、一定の荷重などには強いPPSですが、瞬間的に強い力が加わると壊れやすいという特徴があります。強い衝撃が何度も加わるような物の素材としては向いていません。しかし、他の材料と混ぜ合わられる点もPPSの強み。耐衝撃性を高めるためにガラス繊維を混ぜ合わせ、強化樹脂として広く利用されています。

PPSの試作・成形における代表的な用途

PPSは高い耐熱性を持ち加工性にも優れている一方、薬品にも強いことから、金属の代わりとして試作・成形で利用される場面も増えてきました。

例えば以下のような製品に使用されています。

  • 自動車部品
  • 電気・電子部品
  • 家電製品
  • 機械部品
  • 塗料やフィルムシートなど

具体的にどのように利用されているのか解説します。

ケース①:自動車部品

熱に強く金属に比べて軽量なPPSは、軽量化ニーズが高まっている自動車分野でも採用が広がっています。

具体的には以下のような部品に使われることが多いです。

  • 排ガス処理バルブ
  • キャブレータ
  • マニホールド
  • ディストリビュータ
  • イグニションなど

耐薬品性が高く、ガソリンやオイルなどに強い点も、自動車分野で使いやすい要素の1つです。

ケース②:電気・電子部品

電気・電子部品には精密性が求められるため、高い耐熱性、寸法安定性などを兼ね備えていることが重要です。

これらの要素を併せ持つPPSは、以下のような部品に使われています。

  • コネクタ
  • 各種スイッチ
  • コイルボビン
  • リレー
  • プリント基板
  • IC部品

ケース③:家電

耐熱性の高さや熱伝導性の低さが特徴のPPSは、以下のような家電製品の部品にも多く用いられています。

  • 電子レンジ
  • アイロン
  • ヘアドライヤー
  • 電磁調理器コイルベース
  • 炊飯器圧力バルブ

ヘアドライヤーのファンやアイロンの噴出口など、高温になる箇所にはPPSが用いられる場合が多いです。

ケース④:機械部品

高い耐水性や耐熱性、耐圧性を兼ね備えたPPSは、以下のような機械部品にも利用されています。

  • 歯車
  • ピストンリング
  • 各種バルブ
  • ポンプハウジング

強い衝撃が加わる部品には適していませんが、持続的に負荷がかかる歯車やバルブなどでは高い耐久性を発揮します。

ケース⑤:塗料やフィルムシートなど

PPSは塗料や耐熱・耐薬品フィルムシート、ファイバーなどにも利用されています。

自動車の修理などにも利用され始めており、溶接の手間を省く効率化なども進んでいます。

PPS樹脂の試作・成形ならPlaQuick

PPSは下記の用な特徴を持ち、様々な分野で需要が高まっています。

  • 熱に強い
  • 薬品に強い
  • 変形しづらい
  • 電気を通しにくい
  • ガラス繊維と混ぜて強度を高められる

金属よりも軽く、熱にも強い素材をお探しの方は、PPSの採用を検討してみてはいかがでしょうか。

PlaQuickでは、製品の特性に合わせたプラスチック材料を調達できるほか、量産品と同じ条件での試作品を低価格で提供できます。プラスチックの成形をお考えの方は、PlaQuickでの試作を一度検討してみてはいかがでしょうか。

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