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成形品のリブについて解説!

プラスチック成形の際は、材料や用途などを考慮して最適な設計をすることが大切です。
設計が適切でなければ、機能性や安全性に様々な不良が生じてしまいます。製品の機能性や安全性を保つための方法は多数存在するので、予算や強度などに応じた方法を採用しましょう。

今回は、「リブ」と呼ばれる補強パーツを用いた品質の向上方法について解説します。

リブとは

リブとは、樹脂製品の肉厚を厚くせずに剛性や強度を大きくしたり、反りやねじれなどの変形を防いだりできる突起状の補強パーツを指します。

リブが必要とされるのは、樹脂に以下2つの性質があるためです。

  • 圧力が低い部分ほど体積収縮が大きくなる
  • 冷却時の温度のバラつきによって収縮差が生じる

同じ部品でも、肉厚に差があると肉厚が薄い部分の方が大きく収縮したり、温度差があると高温の方が大きく収縮したりするのです。結果的に反りやねじれなどといった不良につながってしまいます。

リブによって、これらの成形不良を防ぐことが可能です。

リブを用いることによって得られる効果

リブの使用によって得られる効果には、主に以下の3つがあります。

  1. 反り・曲がりの防止
  2. 強度・剛性の増強
  3. 流動性(充填効率)の改善

・「反り・曲がりの防止」

樹脂には、圧力が高いほど体積収縮が大きくなったり、冷却に時間がかかるほど体積収縮が大きくなったりする特徴があります。

同じ部品内で収縮率に差が生じると、反りや曲がりといった成形不良につながってしまいます。リブは部品の側面を固定するため、部品の反りや曲がりを防止することが可能です。

・「強度・剛性の増強」

圧力や温度の差で樹脂の収縮率に差が生じると、樹脂の中に「ボイド」と呼ばれる空洞ができる場合があります。
ボイドは製品の強度を低下させるため、樹脂成型時はなるべく肉厚を均一にすることが大切です。リブはそれ自体が強度を増すパーツになる上、ボイドの形成も防いでくれます。

・「流動性(充填効率)の改善」

同じ部品内でも、融解樹脂が流れにくい箇所は充填不足を起こし、強度が下がりにくくなります。
流動性が低くなりやすい箇所は、リブを設置することで樹脂の流れを改善できます。

成形においてリブが活用されるシーン

それでは、具体的にリブはどういったシーンで活用されているのでしょうか?

樹脂成型でリブが活用されるのは、主に以下3つのような場面です。

  • 樹脂化(金属代替)する場合
  • 広い平面の素材を使用する場合
  • 高さや厚みが増す箇所がある場合

・「樹脂化(金属代替)する場合」

樹脂化(金属代替)とは、金属部品を樹脂製品に置き換えることを指します。

樹脂は金属製品に比べて荷重変形が大きいため、樹脂化の際は強度の向上が重要です。樹脂化の際にリブを設置することで、樹脂の強度を高めることができます。

・「広い平面の素材を使用する場合」

樹脂は冷却時の温度差によって収縮率が変わります。
特に広い平面の部品を成形する場合、裏と表で冷却時間に差があり、大きな反りが生じやすくなります。
広い平面の部品や、箱状の製品などを成形する場合は、リブの設置で反りを防止する場合が多いです。

・「高さや厚みが増す箇所がある場合」

同じ樹脂部品の中で高さや厚みに差があると、流動性や温度の差によって反りやボイドなどの不良が起きやすくなります。
例えば他の部品とのはめ込みなどに使用される突起「ボス」を設ける場合、ボスだけ高さが増すので流動性が悪くなる傾向があります。

ボスにリブを接合することで樹脂が流れ込みやすくなるほか、強度もあがります。

リブ構造を設計する際のポイント

リブを設置する際には、リブならではの特徴を踏まえて製品設計する必要があります。リブ構造の設計時に留意すべきポイントは、以下の4つです。

  1. リブは高さよりも数を多くする
  2. リブを連結させて格子状にすると強度が増す
  3. リブの肉厚は母材の肉厚より薄くする
  4. 縁リブや底リブなどで強度を増す

・「リブは高さよりも数を多くする」

リブは、高さを高くするほど「曲げる力」に対する抵抗性が高まります。
しかし、高くなりすぎると冷却に時間がかかったり、流動性が低くなったりして、成形不良につながりやすいという面もあります。

品質を維持しながら強度を高めるためには、高さの代わりに数を増やすことが有効です。強度を高めたい箇所の設計は、リブの数を増やして対応するようにしましょう。

・「リブを連結させて格子状にすると強度が増す」

樹脂の強度向上にはリブの数を増やすことが有効ですが、リブ同士を近付けすぎると金型に負荷がかかってしまいます。

リブを連続して設置する際は、リブ同士を肉厚の2倍以上離すことが重要です。
リブ同士を格子状に連結させれば、リブ同士を離しても強度を維持できるので、設計時にはぜひ検討してみてください。

・「リブの肉厚は母材の肉厚より薄くする」

リブの付け根部分は、必然的に肉厚が厚くなります。

他の箇所よりも肉厚が厚くなると、冷却に時間がかかり反りやボイドが生じやすくなるため、リブの肉厚は母材の肉厚よりも薄くすることが重要です。設計時には製品の肉厚をできるだけ均一化して、温度や圧力のバラつきを最低限に抑えましょう。

・「縁リブや底リブなどで強度を増す」

容器の底面や側面などの広い平面部分は、特に反りが生じやすい箇所です。

底面や側面には格子状のリブを設置して強度を高めることも多く、「底リブ」や「側面リブ」などと呼ばれています。
縁の部分には「縁リブ」を設置することで、持ち手の部分の強度を高めることが可能です。

リブを設計する際の注意点

樹脂の成形不良を防いだり、強度を高めたりしてくれるリブですが、正しく設計しなければ逆に強度や品質が低下するという事態も起こり得ます。

リブを設計する際は、以下の3つに注意して品質を保持しましょう。

  • リブの肉厚は母材の肉厚の50%~70%程度にする
  • 肉盗みを用いて反りを防止する
  • 流動性を阻害しない設計にする

・「リブの肉厚は母材の肉厚の50%~70%程度にする」

リブを設置するとおのずと付け根部分の肉厚が増すため、リブの肉厚はあらかじめ母材よりも薄くする必要があります。
リブの肉厚は、大体母材の肉厚の50%~70%に設定するのが一般的です。リブの設置によってかえって成形不良を招かないよう、肉厚の厚さには特に注意を払いましょう。

・「肉盗みを用いて反りを防止する」

リブの設置時による反りやボイドへの対策には、「肉盗み」という方法もあります。

肉盗みとは、リブ周りの肉厚を薄くすることにより、他の部位との冷却時間の差を小さくするという方法です。
冷却時間が短くなる分、反りやボイドは起こりづらくなります。しかし肉盗みをする場合は、リブ周り1つ1つの肉厚を薄くした金型の加工も必要です。

加工に手間がかかる分コストが上がるため、費用対効果が見込める製品であるかどうかは十分検討しなければなりません。

・「流動性を阻害しない設計にする」

リブは大きいものを1つ設置するよりも、小さいものを複数設置する方が強度が増します。

製品によっては多数のリブを設置する場合もありますが、設置の仕方によっては樹脂の流動性を阻害して充填不足につながる可能性もあります。
強度の低下のほか、樹脂の合流箇所におけるウェルドラインの形成など、外観上の問題も発生しかねません。

リブの設置の際は、ゲートの位置やリブ同士の位置関係などに十分な配慮が必要です。

まとめ

樹脂成形において、反りやボイドといった成形不良や強度不足は、常に向き合わなければならない課題です。リブを使うことで、機能性や安全性の高い樹脂の成形が可能となります。

ただしリブは、正しく設計しなければかえって成形不良につながる可能性もある部品です。樹脂成形の際は、設計についてメーカーとよく相談しながら進めるようにしましょう。

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