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急速に拡大する金属代替(樹脂化・プラスチック化)のメリットとは

ここ数十年、プラスチック産業の技術が進歩し、耐熱性や耐久性などに優れたプラスチック素材が数多く開発されています。従来は金属でしか対応できなかったエンジン周りなどの高温箇所の部品も、耐熱性の高いエンプラやスーパーエンプラが代替できるようになってきました。金属をプラスチック素材に置き換える金属代替(樹脂化・プラスチック化)には、どのようなメリットがあるのでしょうか?

金属代替とは?金属部品の樹脂化を指す

金属代替とは、金属部品を樹脂素材の部品に置き換えることを指します。従来、耐熱性や耐久性などは金属ならではの特徴で、車のエンジン部など高温になる部分には樹脂は使えませんでした。

しかし最近では、耐熱性や耐久性に優れたエンプラやスーパーエンプラといった樹脂素材が登場。高温になる箇所の部品にも樹脂が使われ、金属代替が進んでいます。

これまで金属代替が不可能といわれてきた、車のパワートレーンやトランスミッション、熱管理システムなど、エンジンシステム内の部品も金属代替を可能にしています。

金属とプラスチックの特性比較

もともと、金属とプラスチックには以下のような特性の違いがありました。しかし、技術の発展により金属と同等以上の特性を持つ樹脂も開発されてきています。

  金属 プラスチック
重さ 重い 軽い
耐熱性 高い 低い
電気伝導性 高い 低い
耐衝撃性 強い 強くない
耐薬品性 高い 高い
耐摩耗性 高い 低い
形状変更のし易さ 融点が高く、形状変更がし難い 融点が低く、形状変更が比較的容易
寸法安定性 高い 低い
着色の容易性 低い 高い
原材料価格 中程度 低い
原材料の安定供給性 中程度 高い

金属代替(樹脂化)するメリット

プラスチックは金属に比べて耐熱性や強度が低いという弱点がありましたが、最近では機能性樹脂が弱点をカバーすることにより、金属の代替が可能となっています。金属を樹脂化する金属代替には、どんなメリットがあるのでしょうか?

主なメリットは以下の8つです。

コストダウン

樹脂は金属に比べて比較的安価であるため、樹脂化によってコストダウンができます。素材や形状によっては年間数百万円の経費削減も可能です。

軽量化

樹脂は金属に比べて軽いため、製品の軽量化もしやすくなります。たとえば鉄の重さは8g/㎤、アルミの重さは3g/㎤であるのに対し、汎用樹脂の重さは1~2g/㎤程度です。樹脂化によって50%以上の軽量化も可能となります。

塗装レス

樹脂は染料や顔料等の着色材を混ぜこむことで素材自体を着色できるため、後から塗装する手間を省けます。

オイルレス

樹脂は着色材以外にも、フッ素やオイルなどを混ぜこむことが可能です。後から潤滑油を塗布しなくても、素材自体に潤滑性(摺動性)を加えられます。

後加工レス

樹脂は比較的低い融点で加工ができるため、複雑な形も一度に成形が可能です。

防錆性

金属は水に触れると錆びてしまいますが、樹脂は酸化せず、錆びることがありません。

絶縁性

樹脂は電気を通さないため、家電製品などの部品としても使用しやすいです。

意匠性

意匠性とは、思い通りのデザインを作りやすいことを指します。樹脂は加工の自由度が高いので、オリジナル製品が容易に作れます。

金属代替(樹脂化)が可能なプラスチック素材

金属代替に使用するプラスチック素材は、汎用プラスチックよりも強度や耐熱性が強化されていなければなりません。金属代替が可能なプラスチック素材は「エンプラ」、「スーパーエンプラ」と呼ばれており、強度や耐熱性に優れています。機械部品や電気・電子機器部品などに用いられるプラスチックです。

各樹脂の特徴はこちらからご覧いただけます。⇒エンプラ(エンジニアリングプラスチック)とは

樹脂化する流れ

実際に金属を樹脂化する際はどのような流れで進めていくのでしょうか?樹脂化は大きく分けて次の3段階の流れで進んでいきます。

1. 製品設計と樹脂選定

まずはどのような製品を作るのかを決定します。決める項目としては、以下のような点が挙げられます。

  • 形状
  • 使用環境(温度、湿度、屋内外、使用時間など)
  • 求められる特性(強度、各耐性)
  • 寸法
  • 外観(色、表面処理)
  • 予算

上記の項目が決まったら、製品に適した樹脂を選んでいきましょう。耐久性や耐熱性よりもコストを重視するのであれば、汎用樹脂やエンプラが選択肢となります。車のエンジン周りなど高温になる箇所の樹脂化を目的としており、かつ高い機能性を求めるのであれば、スーパーエンプラが合っている可能性が高いです。

PlaQuickを運営している金森産業は樹脂材料の商社であるため、材料のご提案、調達も得意分野です。ご相談頂ければ最適な樹脂をご提案いたします。

2. 試作期間

製品設計と樹脂選定が終わったら、製品の試作を進めていきます。最近ではコンピューター上での3D設計技術が発展しているため、試作工程も省略できるのではと思う方もいるかもしれません。

しかし、コンピューターの設計技術だけで製品のすべてを再現することはできないため、試作は必ず実施するべきです。どれだけコンピューター上で精密に設計したつもりでも、実際に成形してみると外観や機能性に細かな誤差が生じてきます。結果的に大きな損失につながらないよう、製品の品質が合格ラインに達するまで何度でも試作を繰り返しましょう。

樹脂試作にはいくつかの加工手段があり、切削加工や3Dプリンタは小ロットから発注できます。量産を予定しているのであれば、金型を用いた射出成形がコストパフォーマンスの高い手段です。

3Ⅾプリンタではご希望の樹脂での試作ができない、切削だと数量が多い時にはコストがかかるという課題もあるかと思います。PlaQuick射出成形では量産と同じ材料で、~2,000ヶまでの試作に対応しています。(2,000ヶ以上の試作は要相談)

3. 量産化

試作で製品の品質が合格ラインに達したら、いよいよ製品を量産化していきます。試作段階で打ち合わせた留意事項をもとにしながら、量産を進めていきましょう。

金属代替(樹脂化)の時の注意点

金属代替の際には、樹脂の反りや歪みに注意する必要があります。特に平面度や平行度に関しては、反りが発生する場合が多いです。たとえば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)で金属代替を進める場合、形状によっては極端な反りが発生することも多いことが知られています。場合によっては1mmという単位で反りや歪みが発生するため、仕上がりに大きな誤差が生じることもあるのです。

予め公差を考慮して設計するのはもちろん、どれだけの誤差が生じるかを試作で検討しておくことが重要です。

PlaQuickにおける金属代替の試作事例

金属代替の試作もPlaQuickでは可能です。 ドローンはフライト時間を長くするために、常に軽量化の方法を模索しています。 アルミの切削品を使用していた部分を樹脂化する試作にPlaQuickをご利用頂きました。 アルミから樹脂(PPS)へ変更したことで1部品当たり重さが約100gの軽量化が実現しました。 実際の機体には4つ搭載されるので400gの軽量化になります。 また、構成部品が少なくなったことで、取付作業の工数減や、ネジ類の費用削減にも役立っています。

金属(アルミ 切削) 樹脂(PPS 射出成形)

まとめ

ここ数十年プラスチック産業の技術は急速に発達。エンプラ・スーパーエンプラの登場により、樹脂が金属の代わりとなる「金属代替(樹脂化)」が広まってきました。樹脂化はコスト削減や自由度の高い加工といったメリットがある一方、反りや歪みが生じやすく、製品化前の試作が必要不可欠です。生産数や形状に合った加工手段で、必ず試作を行いましょう。

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