モノづくりにおける3Dデザインの重要性
3D-CADを駆使して、スケッチや測定データといった素材を元に製造目的に応じた意匠設計、機能要望を盛り込んだ製品設計を行なっている、株式会社デオック。
創設当時から、モノづくりにおけるデータの重要性を説き、デザイン段階で金型製作の課題を反映させた設計を提案し続けています。
今回は、デザイン提案〜3D設計の重要性について、設計技術部 中村様からお話を伺いました。
デザイン・インを体現化
ー モノづくりにおいて、御社ではどういったサービスを提供されていますか?
中村氏 主に、プラスチック部品の開発の初期工程にあたる「デザイン提案」から「マスターモデル」や「プロトタイピングモデル」のご提供を行っています。
また、ご要望があれば、プラスチック成形の技術アドバイスや量産対応の相談にも応じています。
ー どういった業界から利用されていますか?
中村氏 当社のお客様は特に分野の垣根はないのですが、よく使っていただける分野としては自動車関係、ホビー関係、アミューズメント関係です。
ー 御社サービスである「デザイン提案」は、どのような流れで進められるのでしょうか?
中村氏 デザインをイメージする工程は、お客様の要望が第一です。
そして、形状がある程度決まると、次に使用用途や生産手段に見合った部品構成や詳細仕様を盛り込みながら、3Dデータで表現していきます。
具体的には、射出成形部品の抜き勾配や肉厚バランスですね。
デザイン提案の重要性
ー お客様の要望を可視化するために留意されていることはございますか?
中村氏 「デザイン提案」にもいろいろなケースがあります。
すでに仕様や用途がしっかり決まった物もあれば、「こんな感じの」というようにイメージがあいまいな物まで多種多様です。
ただ、お客様の要望を出来るだけ多く吸い上げて具現化する為に、一緒に悩みながら考えることを意識して進めています。
また、デザインの依頼があった際には、必ず「どれくらいの生産量なのか」「どういった成形方法をお考えなのか」といった情報を確認するようにしています。
必要数や成形方法によって想定される、様々な課題を考慮したデザインをご提案するように心懸けています。
ー 「デザイン提案」がモノづくりの工程の中で、どのような効果をもたらすのか、ご教示ください。
中村氏 当社では、デザインを3Dデータで制作することはモノづくりにとって、「手段」ではなく「工程」だと考えています。
つまり、製品の品質や機能をデザインに盛り込むことが出来るという考え方です。
そうすることによって、早い段階から形状を可視化し、機能や用途を盛り込むことで自ずと問題点が浮き彫りになり、事前に改善策を取り入れることができるようになります。
これは、量産段階でのトラブルを減らし、製造工程の後戻りリスクを低くする効果があります。
つまり、製品開発が効率化され、生産性を向上するとともに、より高品質な製品を開発することに繋がるのです。
こういった考えから、私たちは金型製作から成形までのアドバイスができる、より付加価値の高いデザインをご提案していきたいと考えています。
【お話】
株式会社デオック 設計技術部 中村 はるか様
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