水栓・水回り業界での試作をお考えの方へ
水栓・水回りの樹脂試作では、真鍮からの金属代替・樹脂化を目的としたご相談が多く、PPSやPOMといった材料で、量産と同じ条件で成形した実物を早い段階から手元に置いておきたい、というケースが少なくありません。水栓金具や給湯機器の内部部品は長らく真鍮(黄銅)が主役でしたが、水道法の水質基準に対応した鉛レス化の要求、軽量化、加工コストの低減を背景に、樹脂への置き換えが着実に進んでいます。
PlaQuickでは、汎用プラスチックからスーパーエンジニアリングプラスチックまで幅広い樹脂に対応しています。本ページで紹介するPPS・POMも、量産と同じ材料での射出成形試作が可能です。試作アルミ型による射出成形は標準8営業日・約40万円から、真鍮インサートを併用する金属インサート成形にも対応しています。グレード選定・調達のご相談も含め、お気軽にPlaQuickまでご相談ください。
水栓・水回り業界で使用されることが多い樹脂材料 2選
水栓・水回りの部品に使われる樹脂はさまざまですが、金属からの置き換えという文脈では、PPSとPOMが候補に挙がるケースが多くあります。水回りの部品は、常時通水されること、給湯の熱を受けること、水道水中の残留塩素にさらされ続けること、そして水圧がかかり続けることが同時に起こります。設計時点では問題なく見えても、数年後に漏れやクラックとして表面化するのがこの分野の怖さです。材料の解説に入る前に、樹脂部品が使われる代表的な部位と、そこで求められる特性を整理します。ご検討中の部品がどの行に近いかによって、選ぶべき材料の方向性が変わります。
大まかな使い分けの軸は、「熱と圧力がかかる流路まわりはPPS、動く・擦れる部品はPOM」と捉えると整理しやすくなります。真鍮からの置き換えを検討している部品の多くは前者にあたり、後者は従来から樹脂が使われてきた領域です。ひとつの製品の中で両方が同時に必要になることも多く、その場合は部品ごとに材料を振り分けることになります。
①PPS(ポリフェニレンサルファイド)
特徴
PPS(ポリフェニレンサルファイド)は、連続使用温度が約220〜240℃と高く、給湯の温度域に対して大きな余裕を持つスーパーエンジニアリングプラスチックです。吸水率が0.02〜0.04%程度と極めて低く、加水分解も起こしにくいため、熱水に長期間さらされる部品でも寸法と強度が安定します。
水回りでは、給湯機器のポンプケーシング・インペラー、配管ジョイント、バルブ、水栓器具といった部位で、真鍮などの金属材料からPPSへの置き換えが進んでいます。金属代替で得られるのは、軽量化と切削工程の削減によるコストダウン、そして鉛の溶出という問題そのものを設計から取り除けること。金属では複数部品に分けていた形状を一体成形できれば、シール箇所そのものを減らせます。
その他の代表的な用途
②POM(ポリアセタール)
特徴
POM(ポリアセタール)は、優れた耐摩耗性・自己潤滑性・耐疲労性を備えたエンジニアリングプラスチックです。吸水率が低く寸法が安定していること、そして潤滑油を使わずに長期間なめらかに動き続けることから、水中では油を使えない水回り機器の「動く部品」で長く定番の位置を占めてきました。
代表的な用途は、シングルレバー水栓やサーモスタット水栓の切替・調整機構の内部部品、シャワーヘッドの散水切替機構、トイレのボールタップやフロート弁、給水器具のギヤやリンク部品などです。いずれも毎日操作され、10年単位で使われ、途中で分解して手入れすることのない部品ばかり。なお水道水の残留塩素と長期間接触する部位には、水回り用途向けのグレードが各材料メーカーから供給されています。
その他の代表的な用途
水栓・水回り業界でのPlaQuick試作事例
PlaQuickでは、PPSやPOMを使用した水栓・水回り向け部品の試作に対応しています。混合水栓のカートリッジハウジング、給湯機器のジョイントやバルブ、ポンプケーシング・インペラー、切替機構の摺動部品などを量産と同じ材料で成形でき、真鍮部品からの置き換えで欠かせない金属を一体化するインサート成形にも対応しています。以下、開発フェーズごとの工法のご提案です。
水回りでは、材料の種類そのものよりも「どのグレードを選ぶか」で結果が変わります。PlaQuickは化学品専門商社である金森産業が運営しており、30社以上の材料メーカーとの取引ネットワークを活かしてグレードのご提案から調達まで一貫して対応可能です。「この真鍮部品は樹脂に置き換えられるか」という構想段階のご相談から承っています。
※PlaQuickでは設備の都合により対応できない加工方法・樹脂もございます。詳細についてはお気軽にPlaQuickまでお問い合わせください。