農業機械業界での試作をお考えの方へ
農業機械(農機)の樹脂試作では、屋外で長く使われる部品を、量産と同じ材料で早い段階から実物として確認しておきたい、というご相談が多くあります。トラクターやコンバイン、田植機といった農機は、直射日光・泥・薬液・振動にさらされながら、シーズン中は毎日のように稼働します。近年はスマート農業化にともなって機体に載る電装ユニットが増え、樹脂部品が担う役割も広がっています。
PlaQuickでは、汎用プラスチックからスーパーエンジニアリングプラスチックまで幅広い樹脂に対応しています。本ページで紹介するABS・ナイロン・PBT・PCも、量産と同じ材料での射出成形試作が可能です。試作アルミ型による射出成形は標準8営業日・約40万円から、金属部品を一体化するインサート成形にも対応しています。グレード選定・調達のご相談も含め、お気軽にPlaQuickまでご相談ください。
このページではABS・ナイロン・PBT・PCを紹介していますが、他の樹脂についてもお気軽にご相談ください。
農業機械業界で使用されることが多い樹脂材料 4選
農業機械の部品に使われる樹脂はさまざまですが、屋外で長期間使われる機械という文脈では、ABS・ナイロン・PBT・PCが候補に挙がるケースが多くあります。材料の解説に入る前に、農機で樹脂部品が使われる代表的な部位と、そこで求められる特性を整理します。ご検討中の部品がどの行に近いかによって、選ぶべき材料の方向性が変わります。
大まかな使い分けの軸は、「目に触れる外装と操作まわりはABS、落下や振動を受ける手持ち機械の外装はPC、力や油がかかる機構部品はナイロン、電装まわりはPBT」と捉えると整理しやすくなります。農業機械では落下強度や剛性を補う意味で、ガラス繊維強化(GF)グレードが選ばれやすい傾向にあります。
①ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)
特徴
ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)は、耐衝撃性・剛性・寸法安定性のバランスに優れた汎用樹脂です。表面に光沢が出やすく、塗装やシボ加工との相性がよいため、外観品質が求められる部品に向いています。大きな面積のカバー類でも比較的成形しやすく、コスト面でも扱いやすい材料です。
農業機械では、キャビン内装のトリムや計器まわり、操作パネル、各種カバー類といった、オペレーターの目に触れる部位で採用されています。屋外で直射日光を受け続ける部位には、ASA・AESといった耐候系の材料が選ばれやすい傾向にあります。用途に応じたグレードのご提案も承っています。
その他の代表的な用途
②ナイロン(ポリアミド)
特徴
ナイロン(ポリアミド、PA)は、強度・靭性・耐摩耗性に優れ、耐油性・耐薬品性も高いエンジニアリングプラスチックです。ガラス繊維を加えたGF強化グレードでは剛性と耐熱性が大きく高まり、金属部品の置き換え材料として広く使われています。自己潤滑性があり、注油しなくてもなめらかに動き続けることも特徴です。
農業機械では、燃料系・作動油系の配管や継手、クイックコネクタ、クランプ類、走行部・作業機まわりのギヤやブッシュ、スプロケットといった部位で採用されています。金属からの置き換えでは、軽量化と防錆に加えて、切削工程を減らせることによるコストダウンも狙えます。
その他の代表的な用途
③PBT(ポリブチレンテレフタレート)
特徴
PBT(ポリブチレンテレフタレート)は、電気絶縁性・耐トラッキング性に優れ、吸水率が低く寸法が安定しているエンジニアリングプラスチックです。耐熱性・耐薬品性も高く、難燃グレードやGF強化グレードの選択肢が豊富にそろっています。細かい形状を精度よく成形できることも特徴です。
農業機械では、ワイヤーハーネスのコネクタや端子台、ヒューズボックス、センサー・ECUのハウジングといった電装部品で採用されています。自動操舵や可変施肥など、機体に載る電装ユニットが増えるほど、屋外環境で長期間性能を保てる材料としての重要性が高まっています。
その他の代表的な用途
④PC(ポリカーボネート)
特徴
PC(ポリカーボネート)は、透明性と耐衝撃性を併せ持つエンジニアリングプラスチックです。透明な樹脂のなかでもっとも割れにくい部類に入り、寸法安定性・耐熱性も高く、ガラス繊維を加えたGF強化グレードでは剛性がさらに高まります。屋外用途では、紫外線による黄変を抑えた耐候グレードが各材料メーカーから供給されています。
農業機械では、チェーンソーや刈払機といった手に持って使う機械の外装やハンドル、各種カバー類で採用されています。作業中の振動を受け、ときには地面に落とされるという扱い方をされる部位では、割れにくさがそのまま製品の寿命につながります。ガラス入りグレードで剛性と落下強度を両立させる設計も一般的です。
その他の代表的な用途
農業機械業界でのPlaQuick試作事例
PlaQuickでは、農業機械向けの樹脂部品の試作に対応しています。実績の一例として、NTT e-Drone Technology(旧エンルート)様の農薬散布ドローン「AC1500」では、機体の軽量化に向けた部品の試作をお手伝いしました。カバー類や機構部品、電装まわりのハウジングなどを量産と同じ材料で成形でき、金属部品を一体化するインサート成形にも対応可能です。開発フェーズに応じて、以下のように工法をご提案しています。
農業機械では、材料の種類そのものよりも「どのグレードを選ぶか」で屋外での寿命が変わります。PlaQuickは化学品専門商社である金森産業が運営しており、30社以上の材料メーカーとの取引ネットワークを活かして、グレードのご提案から調達まで一貫して対応可能です。「この金属部品は樹脂に置き換えられるか」という構想段階のご相談から承っています。
※PlaQuickでは設備の都合により対応できない加工方法・樹脂もございます。詳細についてはお気軽にPlaQuickまでお問い合わせください。